海外出張では想像もできないトラブルが起こってしまうことがあります。
文化、考え方や商習慣など、日本とは違うことは理解した上で出発しているつもりなのですが、流石に想定してなかったわーみたいなことはよくある話。
私自身、6年ほど海外で働いていたので、それなりに想定の斜め上なトラブルに遭遇したこともあります。
ということで、今回のテーマは、自分の中の最悪は全然最悪じゃないってよくあるよね?です。
私が体験したというだけなので、変な先入観を与えたくないという思いから国名は伏せています。悪しからず。
海外出張の準備から滞在中まで、押さえておきたいポイントを下記にまとめています。海外出張が不慣れだという人のお役に立てれば幸いです。
海外出張のトラブル〜仕事編〜
海外出張の1番の目的は仕事なわけで、出来得る限りの想定をしていくのですが、現実は甘くない、、、
如何に自分が狭い世界で生きてきたのかを思い知らされる時があります。
出荷前検品の商品が他所に出荷
とある国の工場に発注を入れ、出荷前に検品することになっていました。
そろそろ完成しそうなので検品の準備をしてくれと連絡が入り、現地に向かうわけなのですが、、、ねーんだわ。商品が。
責任者の説明では手違いで未完成だったということでしたが、こちらは出張費などコストを掛けて来ているので、そうなんだぁで済ますことはできません。
いつ完成するのか、完成するまで待つから進捗教えてくれとか、色々話を詰めると完成するのが来月になると判明。
はっきりと言質は取れませんでしたが、契約順ではなく条件がより良い相手に出荷されていたみたいです、、、
この手のトラブルが発生しやすいのは新規取引先が相手の時です。
既存取引先ではないので、なきゃないでいいやの精神になりやすいんですかね、、、
大体、市場が冷え込むと売れなくなるからなのか、元気にしてる?と連絡がくるパターンに入ることが多いのも特徴です。あ、間に合ってます。
試作品の検品に行ったら廃棄処分?
状況は先述の商品が無いに近いです。
新規仕入先を開拓するべく、とある工場に試作品を依頼していました。
試作品ができたと連絡があり、現地工場に到着すると、、、ねーんだわ。試作品が。
どうやら試作品の品質が仕様にまでは達しておらず、現地オーナーが技術力の無い工場と思われたくないから廃棄しろと指示を出していたことが原因のようでした。
改善点や双方の妥協点を見つける為の試作品なんだけど、、、と説明しつつ試作品を再度作成するよう依頼しました。
その工場には日本人の技術者がいたので、話がしやすくトラブルは少ないかなーと思っていたのですが、オーナーを止めることは流石にできなかったようで、何度も謝られたのを覚えています。
できないと思われたくないという気持ちは誰しもあるとは思うのですが、文化や考え方によっては極端な場合もあるという例です。
失敗したっていいんだよ、、、試作品なんだから、、、
関連記事:海外出張や駐在で文化の違いに面食らった時の乗り切り方
しっかりした契約書があれば大丈夫なんじゃないの?
こちらの会社規模が小さいと、契約書は合ってないようなもんってことはあります。
海外相手の訴訟はあらゆるコストが非常に掛かるので、取引の規模に見合いません。
和解には多少の妥協が必要になりますし、下手な和解は相手との関係が断ち切れなくなります。
業種にもよりますが、次の候補先探しに切り替えた方が得です。
むしろ、トラブルが起きた時に最小限の影響で済むように準備する方が手っ取り早いかもしれません。
- 発注時は前払いを絶対にしない、新規仕入先からは少量しか仕入れないで信頼関係を構築する
- 受注時は段階に応じた前払い条件にする、特注品は前払い比率を大きくする
上記は一例ですが、最初の段階でリスクヘッジをするようにしていました。
条件面で成約しないこともよくありますが、トラブルになるくらいならマシと考えます。
海外との取引でコネクションが大事とされるのは、成約するハードルを下げられることが理由の一つだと思います。
普通に毎朝出社するだけでハードワーカーの称号
日本人の勤勉さは話題になることが多いですが、私個人は海外が大らか過ぎるだけじゃね?と思っています。
毎朝出社する、遅刻や欠席が必要な時は連絡する、ってことができるだけでハードワーカーの称号を得られる場合があります。
裏を返せば、来ない奴がめちゃくちゃいるってことですね。
役職に就くと報酬と共に責任が増すのはどこでも一緒で、管理者クラスで来ない人は滅多にいませんが、一般の従業員で無断欠勤は結構目にします。
あまりにも人手が足りず、来てない人の家を巡ったこともありました。
二日酔い、気分が乗らない、体調不良など理由は様々ですが、せめて連絡は欲しいなとしみじみ思います。
毎日出社してくるだけで、お前はハードワーカーだよ!! って褒めることは正しいのだろうか?と自問自答しつつも、相手は喜んでくれているし良しとしようじゃないかと言い聞かせる、そんな日々。
海外出張のトラブル〜移動、日常編〜
海外出張は仕事が第一の目的ですが、使う時間は移動や日常の方が長いです。
時間的割合が大きい分、トラブルに遭遇する確率が高くなっている気がしないでもないのは私だけでしょうか。
起きたら違う空港
そんなことある?と本気で驚いたトラブルの一つ。起きたら見知らぬ空港に着陸していました。
一昔前、LCCでは、チケットは紙を千切るだけ、搭乗口1つに対し2便の対応を同時に行う、という対応の時がありました。(今もある?)
チケットを千切ってもらって搭乗ゲートを通ると、「あなたは右の出口から」「あなたは左の出口から」みたいな感じで搭乗予定の飛行機の方向を教えてもらう感じです。
搭乗してからは乗務員の人がカウンター(野鳥を数える時とかに使うカチカチするヤツ)で人数を確認するのが一連の流れでした。
どうやら、この時にあらゆる不幸が訪れていたようです。
- 比較的チェックの甘い国内便
- 指示された飛行機は違う便
- 搭乗時にチケット確認されなかった(自分から確認すれば良かったと反省し、以後訊かれなくてもチケットを見せるようになった)
- 同じ座席番号が空席だった
- 人数の確認が正確でなかった
- 搭乗直後に私が寝た(安全面から考えても離着陸時は起きるべきだった)
偶然にも、これら全てが重なり、無事見知らぬ土地に運ばれていきましたとさ。
繰り返しますが、あらゆる場面を想定して自分から率先して確認する、安全面とトラブル防止の両面から考えて公共の場では寝ない、これを行うだけで防げるトラブルはたくさんあります。自分のことを棚に上げている自覚はある。
関連記事:海外出張 LCC(格安航空)は移動手段としてありなのか 【LCCとFSCを簡単に比較】
車がエッグデコレーション
人に危害を加える、差別的な行動を取る、これらのことは絶対に許されることではありません。
しかし、まだまだ存在しているのも悲しいですが事実です。
その中の一つに、〜を〜人にぶつけると幸運が訪れるというバチ当たりなものがあります。
とある地域では、卵を人にぶつけると幸運が〜というものらしく、祝日など祝い事がある時に被害に遭うケースが多いから気をつけてと現地の同僚に教えてもらいました。
そんなことあるのかよ、、、とドン引きしつつ、その日は友人との会食があるので外出しなければいけない日でもありました。
歩いて行けない距離でもないのですが、車の方が安全かなと考え、車で向かうことに。
楽しい会食を終え、駐車場に戻ると、そこには綺麗に卵をぶつけられた愛車がありました、、、
ただ、卵をぶつけると幸運が〜、という話にまつわるものなのかは未だに分かりません。
というのも、私自身卵をぶつけられていませんし、ぶつけられた人を見たこともありません。
それどころか、愛車以外で卵の殻が落ちているところも見たことがありません。
あれは一体なんだったんだろう、、、?っていうか純粋な怨恨、、、?やだ怖い。
運転免許証に穴開ける?
とある国で運転免許証を取得しようと、日本でいう免許センターのような所に赴きました。
別の国で免許証を取得していた経験もあり、必要書類の準備や手続きに苦労することもなく順調に進めることができていました。
ところが、いざ発行という時に、突然偉い雰囲気を醸し出す人から別室に来るようにと連れていかれました。
え?何事?と嫌な予感がしつつも別室に行くと、開口一番「日本の運転免許証出して」とのこと。
「なんで?」と応じると、「日本の免許証を無効にするから」とまさかの回答。
偉い人曰く、その国の法律では免許証は1つしか持てず、既存の免許証は無効化する必要があるということでした。
んなわけあるかと押し問答の末、仕方ねーなと言わんばかりの溜息と共に免許証の発行に至りました。
ほとんどの人は押し問答を繰り広げるとは思うのですが、もし仕方ない、、、と素直に従ってしまった場合はどうなんの、、、?
もしかしてと邪推するなら袖の下の要求だったんかなぁ、、、あまり考えないようにしたいお話でした。
関連記事:海外での運転 運転免許はどうする?交通ルールは?運転マナーは?
海外出張で遭遇する無料サービスと思いきや有料サービスなこと
日本にいると無料サービスが溢れているので忘れがちですが、世の中タダで享受できるサービスは超絶レアです。
めっちゃ親切な人がいると勝手に解釈してしまうと、お金を要求されるってことがあります。
体験談ってことではないですが、有料サービスあるあるの例を挙げていきます。
ポーター
ホテルなどにいる荷物を運んでくれる人のことですね。
国によっては至るところにいます。空港や駅、果ては街中で声を掛けられることも。
流石に街中で声を掛けられると怪しさMAXなので、素通りすると思いますが、空港などの公共施設の中だと、そういうサービスあんの?と思って頼んでしまう人がいるかもしれません。
チップはどの位が妥当なんだろう?と油断してるところに、高額請求をぶっ込んでくる人が昔はいました。
ふざけんなと言いたいとこですが、周囲は相手の仲間ばかり、多勢に無勢もいいとこです。
危ない目に遭うくらいなら大人しく払うしかないか、、、なんて状況になるので、基本はスルーを決め込みましょう。
現在は大分減ったと聞きますが、用心するに越したことはないです。
関連記事:海外出張の持ち物は「軽く・少なく」がモットー 年間200日出張の荷物を減らす試行錯誤
交通整理
東南アジアで目にすることが多いのですが、車で小路から大通りに出る時、駐車場から通りに出る時などにラフな格好で交通整理している人に遭遇することがあります。
もしかするとタダのサービスではなく生業としてやっている場合があるので注意しましょう。
曲がり際に窓から手を出し、交通整理している人にチップを手渡すシステムです。
チップなんだから渡さなくていいんじゃね?と思うのは間違い、生業交通整理に遭遇したときはチップを渡さないのはマナー違反らしいです。
知らない人にとっては、なんて強制イベント?と思うかもしれませんが、郷に入っては郷に従えは海外出張には大事な心構え。
交差点待ちの先頭にならないことを祈りつつ、前にいる人の様子を観察しておきましょう。
まとめ
自分の不注意や油断があったことも否めないんですが、海外出張って、なんで毎回ぶっ飛んだトラブルに遭遇すんのかなぁと不思議になります。
そこも海外出張の魅力と言えば、そうなのかもしれませんが、たまには無事に終えてくれてもよくない?
皆さんのトラブル回避に少しでもお役に立てれば報われる気がします、、、
以上、最後までありがとうございます。