海外出張に行く時に、持ち物とともにあれこれ考えるのがお土産どうすんのさ問題。
- そもそもお土産って持ってた方がいいの?
- 持ってったらマズいものってあんの?
- で、お土産には何がいいのさ?
直球で言っちゃうと、お土産は持って行っても行かなくてもどっちでもいいよっていう話になっちゃうのですが、そうは言ってもお土産は皆嬉しいのも事実です。
喜んでもらえるのなら持って行きたいし、どうせ持って行くならより喜んでもらえるものにしたいと思うのが人情であり、まだ見ぬお土産の迷路を彷徨ってしまうのもこれまた人です。
考え始めると迷子になりだすお土産問題解決に対して、ちょっとでもヒントになればというのが今回のテーマ。
私個人の言いたいことは「本当に迷ったら持っていかないのも選択肢の一つ」に集約されてます。
海外出張にお土産は必要?
どっちでも良いという誰もが想像したであろうことが回答になります。
少なとも私の知る限りでお土産(仕事的な意味ではなく)が必須な文化はないんじゃないかと。
ただ、お土産をもらって嬉しいのは万国共通なので、持っていったら持っていったで何気ない会話や多少距離感を縮めるきっかけにはなります。
何か高価なものだったりすると、違う意味が込められてるのかと疑われることはあると思うので、お土産に対する感覚は日本と同じだと考えていて問題ないです。
ってことで、ちょっとした物を持っていって損はないけど、無いからといっておかしなことはないです。
海外の人はお土産持ってくる?
お土産が必須という考え方がないわけなので、こちらも人によって持って来る来ないがあります。
お土産を持ってきてくれる場合は、取引が継続していて担当者と多少は距離が縮まってからもらうことが多かったです。
仕事なわけで取引が継続していない先にお土産持っていっても仕方ないと思うので、合理的ですね。
人によるとは言いましたが、文化的な背景もあるのか中国の取引先はお土産を持参してくる確率は他国よりも高い傾向があったと思います。
食事の文化もそうですが、相手をもてなすことを重要視している考え方があるのでお土産を持ってきてくれる人が多いのかなと思います。
関連記事:海外の飲み会文化 飲みニケーションは日本の会社だけか
お土産を持って行く時の注意点
日本とは文化や習慣の違う国に持って行くので、いくつか注意点があります。
お土産に持っていってはダメなものがある
なんのお土産を持って行くかを考える前に、まず行く国や文化によっては禁止、ダメな物があります。
お土産選定の前に、自分の出張先で禁止されているものを先に見ていきましょう。
いくつかの例を挙げますが、国によって多様なルールがあるのでご自身でも購入する前にチェックしてください。
アメリカ
野菜、果物や肉類が持ち込み禁止です。ここまではまーそりゃそうかと思うのですが、個人的に驚いたのが、肉のエキスが入ったものもダメというところ。
肉の種類を問わずエキスもダメなので、例えば、コンソメ味のチップスなんかは該当します。
お菓子に含まれる成分の確認は忘れずに行いましょう。
中国語圏
置き時計や掛け時計を送ることを中国語で「ソンジョン」と言います。これは死者を弔うことを言うのと同じ発音になり、不吉なことを連想させてしまいます。
他にも、傘や扇子も発音が不吉な言葉に似ている理由で敬遠されます。
国によっては忌み嫌われる物があることを覚えておいて、無難でもいいから前例のあるお土産を選ぶ方がいい時もあります。
宗教的理由
宗教的理由でお土産に持っていってはいけないものがあります。
イスラム教では豚肉、アルコールが含まれているものは口にしてはいけません。原料として使用されていてもダメなのでアルコールが使用されているお菓子なども食べません。原材料の確認は必須です。
ヒンドゥー教では牛は破壊神シヴァの乗り物とされ神聖な生き物です。牛が原材料に含まれているものは絶対に避けましょう。
ケニアはプラスチック袋が禁止
お土産そのものの話ではないですが、ケニアではプラスチック袋、ジップロックやビニール袋の持ち込みが禁止されています。
お土産を買った時にプラスチックバッグに入れたままケニアに行ってしまうと、かなり厳し目の罰則を受けることになります。
お土産の渡し方に注意がいる
国や人によって考え方はそれぞれです。
日本で取引先にお菓子などのお手軽なものを持って行くと事務所内やその部署内で配ったりされることが多いですが、それはあくまで日本の文化です。
国や人によっては、もらった物を勝手に人に配ることは失礼だと考えるところもあれば、直接関係ない人に持ってくることはないだろうと考えるところもあります。
こちらでお土産の取扱いを勝手に想定せず、渡した本人だけが受け取る可能性を考慮しつつ準備が必要です。
渡した人だけが受け取るものと想定して関係者を絞り、その人数分のお土産を持って行くことが無難です。
そこから社内で配るかどうかは、その人たち次第と考えていた方がいいです。
お土産には何を持って行くのがいい?
注意点は色々分かったし、それじゃお土産持って行こうかとなった時に、なに持ってったらいいのさ?と迷うことってあります。
文化やら生活習慣やら日本と違ったり、日本らしいお土産の方がいいだろうと考えたり、迷うポイントが色々とありそう。
ところがどっこい、案外シンプルに考えればいいと思います。
関連記事:海外出張の持ち物は「軽く・少なく」がモットー 年間200日出張の荷物を減らす試行錯誤
日本らしさの必要性はない
日本から持って行くんだし、日本らしい方がいいんじゃないかと思うかもしれませんが、あんまり気にしなくていいんじゃないかと思います。
そもそも大体が日本らしい
難しく考えなくても日本のものは海外から見れば大体が日本らしい、物珍しいものたちです。いわゆるガラパゴスナントカというヤツはほとんどのお土産に当てはまります。
例えば、お菓子なんかはパッケージもそうですし、食感や味も日本独自だと感じる海外の人は多いです。
空港の売店にあるお土産用のお菓子なんかを他の国で探しても、同じようなのはまずないです。
小物類だったら、それこそ日本らしいものだらけです。素材や柄を捻ったこと考えずとも軽く和テイストが効いていたら、完全に日本のお土産です。
行き過ぎた日本らしさは恐怖
何故こんな話をするかというと、あまりに日本らしさを追求すると、相手にとっては異質に感じてしまう確率が爆上げだから。
日本らしいというのは、海外の人にとっては珍しいというわくわくポイントもセットになっています。
しかし、あまりにも日本らしさ満点のものだと珍しいを突き抜けて未知との遭遇です。
お土産がお菓子などの食べ物だとより顕著で、未知のわけが分からない食べ物を口に入れるには勇気がいります。最早恐怖です。
好奇心旺盛な人なら、それでも食べれるでしょうし食べたら美味い!! と気付いてもらえるかもですが、警戒心高めな人だと内心穏やかじゃないんじゃないかと思います。
風呂敷みたいな日本らしさ満載の小物の場合は恐怖はないにしても、ちゃんと使い方教えてあげるとこまでセットにしないと、吸水性の悪いタオル?みたいな扱いになります。
あまりにも日本らしさが出過ぎたお土産だともらった人も対処に困ることがあるので、難しく考え過ぎず、食べやすそうなもの、使い方が海外の人にも分かりやすいものを選ぶ方がいいです。
お土産って、相手に喜んでもらってナンボなものだと思います。
やっぱりお土産には消え物が定番
なんだかんだ言って、お菓子などの食べ物、いわゆる消え物はお土産の定番です。
もらう方も気軽に受け取れますし、相手の趣向などの影響も受けにくいところがお互いに楽に感じられます。
そして、何よりも日本の食べ物はほとんどの国の人にとっても美味しいと感じるらしく、結構喜んでもらえます。
どこか有名店のお菓子とかでなく、身近なお店や空港の売店で手に入るお菓子でも、めちゃくちゃ喜んでもらえるので、持ってきがいがあるってもんです。
この時、個別包装のものだと相手も取扱いや、誰かにお裾分けする時に便利なので喜んでもらいやすいです。
食べ物が大丈夫かわからん時はある
冒頭でも書いたように宗教上の理由で口にすることが禁じられているものがあります。
実は、更なる注意点があって、人によって解釈が変わる場合があります。
例えば、イスラム教ではアルコールが禁じられています。原材料でもダメです。んで、味噌や醤油はその製造過程から微量のアルコールが含まれます。
ってことは味噌と醤油使ってる食べ物全部ダメじゃん、、、となるのですが、この点、イスラム教徒の人でも、それぞれで考え方が違う時があります。
自然醸造のもんは仕方ないよねーって人がいたり、アルコール使用してるのはちょっと、、、って人がいたり、イスラム教を正確に把握していない人間からすると原材料調べただけでは判断がつかないです。
という感じで、自分で勝手に判断するとトンデモない事態を引き起こしそうな可能性を感じた時は、食べ物は避けて小物なんかを持って行く方が安全です。
小物類は、私自身色々試しました。手拭い、風呂敷、折り紙、扇子(中国語圏は避ける)などなど。
私の感触としては、爪切りのリアクションが良かったです。
何故爪切りをお土産に持っていったのか、今となっては思い出せないのですが異様に盛り上がりを見せた記憶があります。
多分、爪切りは結構いける気がします。
本当に迷ったら持っていかないのも選択肢の一つ
最初にも書きましたが、お土産は持って行っても、行かなくてもどっちでもいいです。
相手をもてなすはずのお土産でガッツリ無礼をお届けしてしまっては元も子もありません。
海外出張先の文化や習慣の勉強が不足していると感じたら、潔くお土産を持っていかないという選択肢を取るのも一つです。
取引が続くのであれば会う機会もまだまだあるはずです。普段の打ち合わせや世間話からお互いの関係性が深まってくれば、何に喜んでくれて何がダメなのかも自然と分かってくると思います。
勉強してからお土産を準備したって遅くないです。お土産必須だと思っている人は、ほとんどいないのでお土産がない状態に違和感はないです。
そこから一転、テンション上がるものをもらったらサプライズ的に嬉しさ2割増くらいになるかもしれません。
お土産は相手を思うからこその贈り物です。焦らずに本当に相手が喜んでくれるものを持って行くのも正しいお土産の在り方の一つだと思います。
まとめ
海外出張のお土産に対する基本的な考え方をまとめます。
- 相手の文化、習慣や宗教などは勉強しておく
- 本人だけに渡ると考え人数絞って全員分準備する
(他の人に配るかどうかはその人次第) - 日本らしさにこだわらなくて良し
- お菓子とか消え物が無難
- 爪切りは意外とイケるかもしれない
- 迷ったら持っていかない
(相手の考えが分かってからでも遅くない)
正直、お土産持って行かなかったからといって問題になることはないです。
でも、お土産があると話題のきっかけになったり、距離を縮めやすかったりします。
何より、相手が喜んでくれると、なんだかこっちもテンションが上がるので、お土産持って行っても損はないよってことを伝えて締めたいと思います。
以上、最後までありがとうございます。