海外出張経験が割と多い方の人間なもので、海外出張が不安だという人からアドバイスない?と問い合わせをいただくことがあります。
相談内容を大きく分けると下記3つです。
- 言葉に自信がないので意思疎通ができるか
- 文化の違いがわからず失敗するのではないか
- 海外が不慣れな上に一人なので怖い
対する回答は下記3つです。
- 目的を徹底的に可視化する
- 自身のできることを可視化する
- 時間と安全を金で買う
すごい回答でもなんでもないですが、不安な時こそ当たり前なことを地道に実行する方が有効なんじゃと思っています。
海外出張が不安になる理由
海外出張が不安になる根本には、
- 仕事を無事にやり遂げられるかの不安
- 単純に海外に対する不安
というのがあるんだと思います。
出張なので達成すべき仕事があるわけで、その仕事が支障なく終えられるかという不安は国外、国内関わらず存在します。
仕事の難易度、自身の力量や経験、取引先の難易度なんかで不安の大きさは変わりますが、この辺は国内出張であっても同じです。
しかし、海外出張は言葉、商習慣、マナーなど現地の文化が拙いことで仕事に差し障りがあるのではという国内出張にはない不安がついて回ります。
また、単純に海外、見知らぬ土地に行くことの不安というのもあります。
移動手段、食事、ホテル、治安、衛生状況など海外出張や旅行にあまり行ったことがない人にとって心配事はつきません。
ネットやChat GPTで事前にある程度調べることはできますが、実際に行くとなると情報だけで不安を解消するのは難しいです。情報と現実に乖離があるかもしれないという不安もあるでしょう。
現状ネットやAIにはこちらがヒントを提示しなければいけないので、あまり行ったことがない人が提供する手がかりでは情報の質や量はたいしたことがないことも考えられます。
しかも、現地に明るい人が周囲にいなければ仕事、生活共に不安は最高潮です。
要は未知の環境で仕事も生活も簡単に助けを求められない状況に不安を感じているのではないかと思います。
海外出張が不安だと感じる時は
で、この至極当然の海外出張に対する不安にどう対応するか、私が思うに下記3つが有効です。
- 目的を徹底的に可視化する
- できることを可視化する
- 時間と安全を金で買う
本来は釈迦に説法なのですが、海外出張で頭がいっぱいになっていると案外見落としがちなのが、目的が明確であればあるほど準備は捗るということ。
例え普段はアドリブで対応できることでも、目的を可視化して準備すると不安の種を少なくできますし、目的と行動を言語化すれば英語や他の言語に翻訳するのも楽です。
不安の原因が未知の環境だとすれば、初心にかえり細かく目的を可視化すると良いんじゃないかと思います。
自分ができることを可視化しておくことも不安の解消につながります。
「できる」の範囲は、業務や裁量など仕事についてはもちろん、滞在中の生活全般についても含みます。
「できること」と「できないこと」が明確だと割り切るのは簡単です。できないことは他の人や物の力を借りるしかありません。
仕事で決裁権を超える判断が必要な時って指示を仰ぎませんか?自分でできなければ、できる人にお願いをするのが一般的だと思います。逆に権限を超えて勝手に判断すれば問題になりますし、権限が曖昧だと不安ですよね。
これって全般的に通じることで、できない、難しいことを独力でやろうとすると結果は安定せず、結果が予測できなければ不安が生じます。
道がわからなければ地図アプリを使う、もっと不安ならタクシーを使う、翻訳アプリを活用する、できないことは割り切ってジャンジャン他の人や物の力を借りましょう。
で、当然のことながら事前に「できること」と「できないこと」を可視化しておけば打てる手立てを用意するのがずっと楽です。
時間と安全を金で買うと言うと下世話な響きに聞こえるかもしれませんが、海外出張では不安解消に結構役立ちます。
安いには安い、高いには高い理由があるというのは万国共通。便利さやサービス内容の良さに比例して料金は高くなるものです。
高いホテルの方がセキュリティや立地条件が良い傾向にありますし、海外旅行客が多い飲食店は高い代わりに比較的環境が良好です。タクシーであれば道に迷うことはありません。
もちろん質の悪いサービスやぼったくりに出くわすことはありますが、安いのと高いのとどっちが海外初心者に易しい確率が高いかという話です。
勝手がわからない場所では、価格ではなく自分への負荷、周囲の環境や人々を判断材料にする方が困難な状況を回避しやすいです。
海外出張規定があったり、会社に気を使って旅費交通費を抑えたりと気にされる人がいるかもしれませんが、出張者本人がストレス抱えて良いパフォーマンスを発揮できない方が全体として損です。会社と相談しながらできるだけ安心できる出張計画を組む方がずっと健全だと思います。
で、ここまで書いて思ったことが、これらのことは海外出張に限った話ではなく結構応用が効く基本作業だなということ。
目的やできることを徹底的に可視化する作業は、まさに基礎です。
不安になる理由はわからないことが多いからなわけで、それは新しく何かを始めた状況と同じようなものです。
何かしら不安を感じる時は可視化、言語化の力を借りまくる方が良いなと改めて感じました。
以上、最後までありがとうございます。