会社でやりたいことができない、自由に動けないという悩み。若い方や新入社員の方に多いかもしれません。
やりたいことや自由が何かは人それぞれですし、会社員である以上は会社や上司に従わなければいけない部分があるのは仕方ないので、明確な答えがあるわけではありません。
自分で会社を作るという選択肢はありますが、「いや、そこまでの話じゃなくて、もう少しやりたいことができれば十分なんだけど、、、」という人にとっては答えにはならなさそうです。
そんな時には下記が助けになるかもしれません。
- 仕事の枠という小さな裁量権を上司から引き出す
- 仕事の枠を広げるには、自分の仕事の進捗や結果を丁寧に報告するだけで効果がある
- 報告をする時は内容を言語化して雑な報告にならないように気を付ける
- 仕事の報告を丁寧に行うことは自分の評価につながる
自分の仕事の報告をするって面倒な業務と雑に扱われがちですが、丁寧にするだけで案外仕事に役立つかもよっていう内容です。
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裁量権と責任は大抵セット
会社に限らず組織において裁量権と責任は上から順に大きくなります。
自由に意思決定したのだから結果に対する責任を負うべきですし、責任を取るからこそ自由に意思決定できるわけです。
責任を取らない人が重大な決断を下す組織が健全とは言えませんし、裁量権がないのに責任だけ取らされるなんて馬鹿げた話がまかり通ってはいけません。
ということで、職位が低ければ裁量権はほとんどなく、上司から与えられた方針や指示の元で動かなければいけませんが、責任はほとんどありません。
これは、会社としては当然のことです。
会社員としてそこそこやりたいことをしたいというのであれば、職位を上げて裁量を大きくするか、上司から好きに動ける範囲をもらえるか、そういう話になります。
与えられている枠の中では自由に動いていいというイメージ
職位を上げるには様々な要素が必要です。実績やスキルなど評価を上げることはもちろん、会社ごとに昇進する為の条件は色々あると思います。
自分だけでどうにかできる話ではなく、時間が掛かる場合もあるでしょう。少しでもいいから今できることを増やしたいとすると辛抱できないとなるかもしれません。
それならば、上司から好きに動ける範囲を引き出してみてはどうでしょうか。
私は、好きに動ける範囲を「仕事の枠」と表現しています。上司からOKをもらえた枠の中では好きに行動して良い範囲というイメージで使っています。
実際には、なんてことない小さな裁量権を手にすることなのですが、裁量権という言葉が実は厄介で、先述の通り裁量権と責任は大抵セットです。
与える側も、もらう側も「責任」という言葉に引き摺られ、なかなか行動範囲を広げられなくなるので、「仕事の枠」という抽象的な言葉にしています。
それで、仕事の枠を広げるにはどうするかですが、それほど難しい話ではなく、自分の仕事を上司にきちんと報告する。これだけです。
部下の能力を見極めて適宜仕事を割り振る、部下の能力に応じたタスクの割り振り、進捗確認、これらが上司の役目なのは間違いありません。円滑に業務が遂行されるように管理することが上司の仕事なのはもちろんです。
とはいえ、上司も人間ですから、完璧に全てを把握、記憶しておくのは厳しく、部下からの報告なり相談なりは有難いものです。
そして、部下から業務内容のリマインドや進捗報告があると、上司は部下の能力の見積もりを立てやすく、部下の判断に任せるといった決断も下しやすくなります。
部下にとっては、劇的に裁量が大きくなるわけではないですが、少しずつ仕事の枠が広がり自由に動けるかもと思える瞬間が増える可能性が高くなります。
自分の仕事を丁寧に説明できるかが大事
仕事の枠を広げる為には仕事の報告をするだけなのですが、丁寧さが少し足りないなーと感じる場面を見ます。
報告に丁寧さが不足していると、能力の見積もりへの寄与が小さく、真面目に仕事してくれているなぁ程度に落ち着いてしまいます。
上司が業務目的を理解している、進捗評価ができるのはもちろんなのですが、そこに至るまでの過程や問題とまでは言わないまでも改善した方がいいことなど、現状を一番把握しているのは担当している自分です。
かいつまんで成果だけの報告というのも大事なことだけれども、それだけでは自分の能力を適切に判断してもらえません。
上司も不明点については質問してくれますが、報告が不十分、まだこの業務の押さえるべきツボがわかっていないのかも、という評価になるかもしれません。
というか、成果が出ればやり方は任せるよという話なら、すでにそれなりの裁量をもらっているようなもんですし。
それで、丁寧に説明するにはという話ですが、具体化・言語化して説明をする。これだけです。
具体化と言っても、何から何までということではなく、成果に直接繋がっている過程を具体的にしましょうという話で、何故その結果に至ったのかが客観的にわかる内容にします。
そして、内容を言語化するわけですが、この言語化を雑にしがちなので注意します。
よくあるのが、補足説明は口頭という報告の仕方。
口頭で何かを伝えることって感情が乗せられるし、相手の表情が見えるので機微を捉えたコニュニケーションが可能です。
しかし、初めから口頭ありきで報告する時って、大体は自分が曖昧な理解をしている、言語化できていないなど、上手く報告できない気がするからだったりします。
口頭はアドリブ感が強く、理解が浅いと支離滅裂、伝えるべき内容が欠けている報告になりがちです。
まずは文章だけで説明するつもりで内容を言語化してみましょう。内容の理解度が上がり雑な説明になりにくくなります。口頭での説明も整然としたものになり、本来の感情に訴えかける効果が大きいです。
通常業務は文章で一方的に伝えるだけでも理解してもらえるくらいに内容をまとめたいところです。
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上司の指示が曖昧な時はチャンスかも
会社や上司によるところがあり全ての会社でそうとは言えませんが、チャンスになる場合はありますし、私はチャンスと考える気がします。
曖昧な指示とは余白のある指示です。
目的・ゴールが明確ではない、なんとなく成果を出して欲しいみたいな指示。
当たり前の話ですが、明確な目的やゴールが設定されていない仕事は手がつきませんし、とりあえずやったけど意味あった?ってことがありえます。
管理側で目的・ゴールを設定した仕事を割り振るというのが在るべき姿です。
もしも曖昧な指示が飛んできた時は、目的が不明確なまま行動するのはよろしくないので目的を確認しなければいけません。
この時にもしからしたらチャンスが潜んでいるかもしれません。自分で設定した目的を提案できる可能性があるからです。
曖昧な指示の背景やきっかけなど必要な情報を理解すること、上司の了解を得ずにスタンドプレーに走らない、など事前の準備は必要ですが、仕事の枠を自分で広げるチャンスです。
ちなみに、この時にも言語化は大切です。
目的設定や上司への確認を言語化せずに行うことは後々の不具合の原因になりますし、目的がクリアになるとそもそもこの仕事意味ある?という無駄を省けることがあります。
仕事の成果がチームや会社の利益に繋がるか、その話が生まれた背景はなにか、など一連の流れを言語化することで上司の納得や了承に繋がります。
社内で営業するみたいなものなので、会社や上司の納得感を満たすストーリーが提示できれば、仕事の枠が広がる可能性が高いです。
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仕事の評価につながる話でもある
仕事の枠、もとい小さな裁量権を得るにはという話を続けてきましたが、結局小さくとも裁量権を与えられる理由って何?と考えると、評価されたからという答えに落ち着きます。
仕事の報告を丁寧に行うと自分の評価につながるよということです。
与えられた仕事をきちんとこなすことは大切なことですし、結果を元に評価することが上司の役目ではあります。
でも、上司も人間。言わなくても全てわかるスーパーマンではないので、仕事の報告を丁寧に行なってもらえるとありがたいものです。
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丁寧な仕事の報告を心がけ、少しは自由に仕事ができるかもと思える瞬間を増やしつつ自分の評価につなげていけるといいんじゃなかろうかと思います。
以上、最後までありがとうございます。