思っていることを的確な表現で伝えられる人ってできる人!! って感じがします。
逆になかなか上手く伝えることができないと「なんで伝わらないんだ、、、」とこちらは勝手にストレスを感じてきますし、周りは周りで「こいつ何言ってんだ?」と思うだろうしお互いに溝ができる原因になってしまうことがあります。
上手く伝えられる人はどうしているんだろうと考えると、言語化というキーワードに行きつきます。
言語化とは言葉を使って漠然としたイメージを整理整頓、単純化し、自分の考えを周囲へ伝えやすくすることです。
こいつを使いこなせると途端にコミュニケーションが快適になったりします。
ということで、次のような思いを解決してくれる言語化の力が今回のテーマです。
- 漠然としたイメージがあるけど、自分でも把握しきれていない
- 自分の考えがなかなか相手に伝わらない
- 話を簡潔に要約できる人になりたい
私自身、まだまだ使いこなせていないので棚に上げている感満載ですが、言語化のメリット、鍛え方をまとめています。
言語化のメリット
言語化とは言葉を使って漠然としたイメージを整理整頓、単純化し、自分の考えを周囲へ伝えやすくすることです。
この言語化には次のようなメリットがあります。
- 周囲に考えを伝えやすくなる
- イメージ全体を俯瞰できる
- 論理的思考が身に付く
- 感覚や経験で行っていたことを仕組化できる
各メリットを説明する為に、まずは何故イメージを言葉にするだけで整理整頓や単純化ができるのか、言語化のやり方を見ていきます。
言語化のやり方
言語化は漠然としたイメージに言葉を使って名前を与え明確にすることができるのですが、イメージは色々な考えや感情など感覚的なものの塊なので、一言で言い表すことはできません。
なので、言語化する時はイメージの塊を細分化し、細分化された各要素にそれぞれ名前を与え明確にしていきます。
イメージを構成する各要素が明確になると要素ごとの整理整頓が簡単に行えます。すると元のイメージを表すのに必要最低限な要素だけを抽出することも容易になるので、イメージ全体をすっきりとした単純な表現に変えられます。
これが言語化によってイメージを整理整頓、単純化できる理由です。
そして、この言語化によって先ほど挙げたメリットや効果が生まれます。
周囲に考えを伝えやすくなる
すっきりとした単純な表現になったイメージは周囲にも理解がしやすくなります。
そして、理解しやすい表現には説得力が宿るので周囲からの同意を得やすくなります。
仮に反論があったとしても、しっかりと理解をした上での話なので建設的な議論が可能になります。
漠然としたイメージの塊のまま相手に渡してしまうと、相手からすれば「こいつ何言ってんだ?」と聞く気が失せますし、こちらは「何で伝わらんの、、、?」とストレスを抱えることになるので、お互い不幸になるだけです。
言語化によって意思疎通がスムーズになります。
イメージ全体を俯瞰できる
言語化によってイメージが整理整頓されればイメージ全体を正確に把握することができます。
もしも、言語化せず漠然としたイメージのままだとモヤっとした塊にすぎないです。
- どこから着手すればいいか
- 工程はいくつあるのか
- 改善点はないのか
などなど、次の手も煩雑な思考のままで進めることになりますが、イメージが整理整頓されていれば上記のような問題は簡単に解決できます。
論理的思考が身に付く
言語化しようとするときに、的確でなかったりする言葉、筋の通らない要素分け、不完全な整理整頓だと脳みそが違和感を感じて受け付けてくれません。
的確な言葉選び、理にかなった要素分けや整理整頓、あるいは違和感を感じる為に論理的に思考しなければいけません。
言語化する度に論理的思考を要求されるので自然と身に付きます。
感覚や経験で行っていたことを仕組化できる
ぼんやりと行っていた作業を言語化してシンプルで分かりやすい工程に細分化していくこととは、まさしくマニュアル化です。
感覚や経験を持った人にしかできなかった作業を一般化することで、作業負担を平準化できたり、ボトルネックを解消できたりします。
関連記事:「仕事がうまくいかない」のは皆が通る道。時間が解決してくれる。
言語化に必要なこと
言語化行う為にはいくつか必要な能力があります。
言い表したい事象を正確に捉えなければなりませんし、それを的確な言葉に置き換える作業を行うからです。
客観的な視点
言語化の目的は漠然としたイメージの塊を自分、周囲に理解しやすい形に変え伝えることです。
上述したように言語化の際には細分化した要素に分類していきますが、客観的に納得のできる要素の分類になっているかを見る力が必要です。
また、各要素から必要最低限の要素だけを抽出して元のイメージを単純化する時にも客観的に理解のできる表現になっているかを見極めないといけません。
言語化によって理解しやすい形にしたと自分で思っていても、周囲にとって理解し難いものであれば言語化できたとは言えないです。
言語化したい対象や言語化する過程を客観的視点で観察することが必要です。
情報を整理する力
客観的視点で各要素に名前付けができても整理整頓が上手くないと簡潔に伝えることができないです。
例えば、乗用車とトラックの違いを言語化するとします。
「乗用車には普通乗用車と小型乗用車があって〜」「トラックには通称4トン車とか大型があって〜」、出だしがこんな感じで始まったとして端的に乗用車とトラックの違いを言い表せているかと言われると疑問です。
それぞれ2つを構成する要素としては正しいと思いますが、違いの説明の重要性という観点では重要度の低い話です。
乗用車とトラックの違いをまず簡単に述べるなら、「主に人間の移動の為の乗り物である」「荷物の移動の為の乗り物である」を伝えることからがスタートになると思います。
情報や細分化した要素の整理整頓、分類する力が言語化には必要です。
論理的思考
先ほどの乗用車とトラックの違いの例では情報整理の必要性を説明しましたが、同時に論理的思考も大事です。
乗用車とトラックの要素を細分化した時に、違いの説明に重要な要素はどれかを論理的に考える必要があるからです。
最初の「乗用車には普通乗用車〜」「トラックには4トン車」から始まる説明だと、違いを知らない人にとっては、サイズや重量が2つを見分ける為の最重要ポイントだと考えてしまう可能性があります。
整理した要素の内、どれを抽出すると的を射た回答になるのかを論理的に考えられないと分解して整理整頓した要素や情報を活かせません。
メリットのところでも触れましたが言語化には論理的思考は毎回使います。(そのおかげで論理的思考が鍛えられ身に付く側面があります。)
語彙力、表現力
語彙力、表現力が豊かであればあるほどシンプルでかつ的確な言語化ができます。
例えば、「今日は暑い」と伝えたいとします。それだけでも暑いことは伝わりますが、「今日はジメジメとした暑さ」や「今日はカラッとした暑さ」と表現することで、簡潔で詳細に状況を伝えられます。
また、場面に合わせた言葉選びもできるので、内容だけでなく表現力によっても周囲を自分の話に引き込めます。
語彙力、表現力が豊かということは、自分の考えを周囲に伝える手段も豊富にあるということです。
言語化の鍛え方
先ほど挙げた言語化に必要なことを鍛えていきます。
言語化自体が特別な時だけ必要な力ではなく普段から使う力なので、そのトレーニング方法も普段の生活の中で行うことができます。
曖昧な表現を使って話をしない
- 客観的な視点
- 情報を整理する力
「あれ」「あっち」「そのうち」「〜みたいな」など曖昧な表現を使わないで会話をします。
ついつい相手の理解力に頼ってこれらの曖昧な表現で楽をしがちです。言語化の為に考える必要がないので楽だからともいえます。
具体性のない言葉を使わず明確な表現を使う為には、事象を客観的に捉え、常に情報を整理整頓していないとできません。
いわゆる5W1Hを意識して話す内容をまとめておくと明確な表現がでてきやすくなります。日頃の会話から曖昧な表現を避けることで客観的な視点と情報を整理整頓する力が養われます。
小説を読む
- 情報を整理する力
- 語彙力、表現力
数ある本の種類の中で小説ほど語彙力と表現力が豊かな本はないんじゃないかと思います。
小説は言葉だけで物語を読者に届けます。登場人物の細かい心情や舞台の描写を文章だけで表現するには豊かな語彙と表現が必要です。また、物語の流れを掴む為には文書だけで表現された情報を整理していく必要があります。
この点において、小説に勝るものはないのではないかと思います。
一方、ビジネス書や自己啓発的な本は、知識を得る、勉強する為の本です。なので、平易で簡潔な文章が求められるので表現力という点では多くは望めません。言語化は単純化することでもあるので平易で簡潔な文章から学べることもありますが、その本の内容に適した要素の抽出になるので表現そのものに対する汎用性は少ないと思います。
語彙力や表現力という点では小説から得られるものの方が多いです。
文章を書く
- 客観的な視点
- 情報を整理する力
- 論理的思考
- 語彙力、表現力
文章を書くことは言語化する作業そのものです。言語化に必要な能力全てを鍛えることができます。
SNS、ブログ、日記、レポートなど、文章を書くものならなんでも構いません。自分が表現したいことを単純化することを意識して書くことで言語化のプロセスを全て辿れます。
SNSやブログなど他人にも見られるものは緊張感が出て、いつも以上に論理的に書こうとすると思います。
日記であれば人に見せることもないので、色々な構成や表現方法にチャレンジできます。時間を空けて見直すと自分が書いたものでも客観的に読めるので改善点を見つけやすいです。
レポートは義務的な気分で書きがちですが、高評価をもぎ取ったるという姿勢で臨めば自然と読みやすく分かりやすくと文章を書くようになります。
そして、文章を書くことの大きなメリットとして会話よりも思考する時間を確保しやすいことが挙げられます。
会話の中で言語化を鍛えようとすると、会話の流れを気にしながらになるので考える時間をしっかり確保しにくい場合があります。文章なら自分のペースで推敲することができるのでトレーニングとしては会話よりも難易度が下がります。
文章を書くスピードが上げってくれば、会話でも早く言語化することができるので徐々に移行していけばいいです。
自分の意見の反論を考える
- 客観的な視点
- 情報を整理する力
- 論理的思考
論理的思考は結論と根拠や仮説を論理的に結びつける思考方法のことをいいます。
論理的思考の一例としてソクラテスの三段論法があります。
- 人間はいつか必ず死ぬ
- ソクラテスは人間である
- ゆえにソクラテスは必ず死ぬ
この例は揺るぎない事実を根拠としているので結論も揺るぎないものになっていますが、普段結論や考えを導き出す時は一般論や自分の経験を根拠することがたくさんあります。
もしも違う前提や仮説が存在するなら、自分の意見は正しいものとは言えず、別の意見も存在することになります。
根拠となった情報を見直し、整理整頓して別の根拠や仮説を設定して異なる意見を自分に対して行うことで3つの力が鍛えられます。
関連記事:断言する。言い切ることが信頼に繋がるとは限らない。
まとめ
仕事、プライベートと普段から言葉を使って私たちはコミュニケーションを取ります。
日常的である分、言葉を使うことに慣れている私たちは曖昧な表現や言葉であっても大体のことは理解しあえます。
でも、言葉の選び方や表現の仕方を考えれば、同じ内容であっても周囲から得られるものは大体の理解ではなく、納得できる深い理解です。
周囲の深い理解は、同意や信頼感といった自分にとってもメリットになるものを運んでくれることにもなります。
言語化する力を上手に活用することで、できる人!! って感じを醸し出すことができればなと思います。
以上、最後までありがとうございます。