度々話題になるお勉強ができても仕事ができるとは限らない論。
仕事は対人関係や空気を読むなど勉強以外の能力も必要とされる場面があるので、「限らない」って話であれば、そうかもなぁと納得する部分はあります。
ただ、勉強ができると仕事ができるには、それなりに相関があると個人的に思っています。
知識や情報処理が優れているというだけでなく、恩師から教わった勉強のやり方が仕事を上手く進めるコツと一緒じゃんと大人になって気付いたからです。
まー学生時代は、頭いい奴ってそんなこと考えてんのかよ位にしか思っていなかったのですが。
ざっくりまとめると次のような内容です。
- 勉強は「目的の明確化」、「優先順位を付ける」、「全体像を把握する」、「無知の知」「できる人を参考にする」が大事
- これって、まんま仕事を上手く進めるコツ
- 大人になっても学生時代の経験から学べることって多い
勉強と仕事のコツって一緒じゃね?
私は学生時代、解けない問題に出くわすと飛ばして次の問題に進むとかができず、なんとかして自力で解答してやろうと執着する傾向がありました。特に数学とか物理とかで多かった記憶があります。
幸か不幸かめちゃくちゃ時間をかければ解けることもあったりして、それがまた達成感やら爽快感やらがひとしおだったので解けない問題を飛ばすという考えが全く思い浮かばなかったです。学生の私には時間が有限という感覚が薄かったように思います。
ただ、そんな達成感のお陰で勉強が好きになれたということは良かったことかもしれません。
で、そんな勉強方法を続けていると弊害が生まれるわけです。
私は進学を希望していたのですが、ある時模試の結果が急落します。
原因は非常に分かりやすくて、数学と物理で解けない問題に出くわし、普段の勉強と同様解けるまで粘ろうとしてしまった為です。一応、途中で時間的に無理、、、と判断して飛ばしはしたのですが、消費した時間の激しさと後ろ髪引かれる思いもあって、残りの問題に集中することができませんでした。
流石に不味いと思った私は解けない問題を気持ちよくすっ飛ばす方法ってないのかとA先生に相談に行きます。
A先生はどんなクソみたいな質問でも丁寧に受け答えをしてくれる方で、今回のことに限らず沢山のことを教わった恩師です。
A先生はふむふむと頷きながら質問を投げかけてきました。
「普段の勉強でも一つ一つ順番に問題を解いていないか?解けない問題があると解けるまで悩んでいないか?」
まさしくその通りなので「そうです」と答えると、次のような答えが返ってきました。
「普段の行動はいざという時にも出る。試験だけ気持ちよく問題をすっ飛ばすことは難しい。」
「解けるまでという熱意は良いことだし生涯勉強ではある。とはいえ、道中では受験のような期限のあるイベントがあり、目標に適した方法を柔軟に考える必要はある。」
「普段の勉強であれば学習範囲に一通り目を通してから強みや弱みを把握した学習が効率的な場合はあるし、試験であれば一通り問題に目を通してから解ける問題をどんどん解答する方が高得点の可能性は高くなる。」
「知らないことがあるということを知るのも勉強。知らないこと一つで立ち止まらず、広い範囲を勉強してどれだけ知らないことがあるかを知ることは財産になる。」
「全く考えないのは良くないが、考えても分からないなら今の自分では解けないことは明らか。模範解答には必要な知識が詰まっていて最速で不足している知識に辿り着ける。不足している知識を知ると学習効率は上がる。」
要は、都度の目標を見失うな、物事に優先順位をつけろ、全体像を把握しろ、無知の知、できる人を大いに参考にしろ、とA先生は教えてくれていたわけです。
で、これってまんま仕事でも同じことが言えます。
- 受験勉強という目的を忘れて目の前の問題に注意が逸れてしまう
- → ふとしたキーワードから会議の議題から話が逸れてしまう
- やりたいことだけ勉強して試験範囲が網羅できない
- → 優先順位を付けずに仕事がパンクする
- 試験の時間配分を考えず全ての問題に解答できない、やっつけになる
- → 全体像を把握せずにディテールから取り掛かってしまい納期に間に合わない、バランスが崩れてしまう
- いつまでも自力で解くことに固執して時間がかかる、解答できない
- → 仕事ができる人の観察やマニュアルを確認せず、自己流で進めて結果が出ない
完全一致というわけではないかもしれませんが、学生時代の勉強から得られるものって基礎学力だけでなく、物事を上手く進めるコツもあるんだなぁと。
もちろん、解けない問題を解けるまで必死に考えること、何か一つのことに集中することは悪いことではないと今でも思います。
あれこれ考えることで自分が持つ様々な知識を片っ端からひっくり返すことができますし、欲しい情報の検索能力が向上します。
自力で上手くいった時の達成感が、小さな成功体験として自信につながる効果もあります。
しかし、その時の目的や状況によって優先順位は変わります。もっと適した方法は別だということはあるでしょう。
凄いのは恩師のアドバイスではあるものの、未熟だった学生時代の経験からだって学べることは沢山あります。いつまでも、どんなことからでも学びや気付きがあるという姿勢を持ち続けたいです。
以上、最後までありがとうございます。