マルチタスクが苦手だと感じている場合、もしかしたら字面に引っ張られているからかもしれません。
上手にマルチタスクを処理するには、一つのタスクに集中することが大事です。
ざっくりまとめると、
- マルチタスクは「同時に複数を処理する」ではなく「一つずつ集中して進める」が実態に即している
- 同時に複数を処理しようとするとマルチタスクは苦手になり得る
- 上手にマルチタスクを処理するには、
- タスクをリスト化して忘れない
- 優先順位をざっくり決める
- 処理中は目の前のタスクに集中する
- 優先順位を決められない時は、とりあえず軽めのタスクを処理するのも手
- 未知や割り込みタスクは、まずは確認作業から
- そもそも論としてタスク調整はマネジメントの務め
マルチタスクはシングルタスクに集中すること
禅問答のような見出しですが、マルチタスクってそういうもんだと思います。
マルチタスクと聞くと並列で仕事を進めているイメージが専らかと思います。全体像で考えるとそうとも言えるのですが、、、
じゃあ実際に作業に取り掛かっている時に同時進行で複数のタスクをこなしているかと言えばそんなわけありません。
基本的に人間が集中して実行できるタスクは一つ。
人間の脳みそと言う名のCPUは一つなわけで当然と言えば当然の基本性能です。
右手で資料作成しながら左手でメール返信するなんてとてもじゃないけど無理ですし、別のタスクをこなしながら別のタスクを考えるだけでも実行中のタスク強度はガタ落ちします。この辺多くの人が実感していると思います。
もちろん例外は存在しますが、誰から見てもスーパーマンみないな非常に稀なケースと言えるでしょう。
参考記事:同時作業が得意な「2%の超人類」
マルチタスクが上手くいかない
あくまで私の観測範囲ですが、マルチタスクが苦手な人は複数のタスクを同時に思考して上手くいかないパターンが多いように感じます。
どのタスクも処理すべき仕事ですから、手持ちのタスクが全部気になる心情もっともです。
しかし、先述の通り基本的に人間のCPUは一つです。あれこれ同時に考えてしまえば思考が鈍くなったり、フリーズしたり、普通にします。
まず、効率よく一つずつタスクを処理するのがマルチタスクと認識を切り替えてみるのも一つの手です。
で、効率よくタスクを処理するにあたって、取り掛かる前に主に次の3点に注意を払います。
- 手持ちのタスクを忘れない
- タスクの順番を決める
- 一つのタスク処理中は他のタスクは考えない
複数のタスクを抱えていると、単純にタスクを忘れちゃうことあります。ホント忘れます。
手持ちのタスクはリストなどで可視化して、すぐに確認できるようにします。
これはカレンダーなどよりリストの方が良いです。手持ちが何かを把握するのは一覧の方がわかりやすいので。
タスクの順番は細かく決めなくても構いません。
本当は細く設定した方が良いのかもわかりませんが、下手に順番決めに時間をかけると効率が悪いです。実際に処理しない限りタスクは終わりません。
特に既知のタスクであれば作業工程や時間は大体把握できますし、多少順番が前後したからといって納期への影響は僅かです。
ざっくり納期で分類、作業時間から考えて納期が近いものから手あたり次第に処理します。
そして、一つのタスクに手を付けたら他のタスクのことは考えません。
作業中に関して言えば他のタスクは処理能力を低下させるノイズです。目の前のタスクに集中します。
そうは言っても毎回スパッと順番が決まらず、他のタスクがチラついてしまうとう場合があるかもしれません。
そんな時には、既知の軽めのタスクに手を付けてみるといいです。
次のような効果があります。
- 他のタスクが気になる前に完了できる
- タスクに進展がない心理的負担が軽減できる
- 手を動かすことで集中力が増す
- 幾分タスクが整理されて順番が決めやすくなる
- 他のタスクの納期を圧迫しない
悩むくらいならつべこべ言わず手を動かすというのも選択肢の一つです。
関連記事:「つべこべ言わずに手を動かせ」はあながち間違いでもない時はある
未知のタスクとか、割り込みタスクとか、重めのタスクとか
上記は事前に把握する既知のタスクに対して特に一定の効果があるものです。
未知のタスクや割り込みタスク、重めのタスクはプラスの対策が必要の場合も。
未知のタスクは作業工程や時間のそもそも見当がつきません。割り込みは急な順番変更を強いられます。重めのタスクは細分化が求められ、どこから着手するか迷子になるかもしれません。単純に手当たり次第に処理とはいきません。
で、こういう類のタスクに戸惑うのなら、タスク依頼者や有識者、上長に確認するとタスクの負担を軽減できます。
また、情報共有によって関係者もタスク割り振りの見直し、サポートなどの考慮が可能です。
未知のタスクであれば、素直に「わからない」「やったことがない」旨を伝えます。
別の人に依頼となってタスクを手放せるかもしれませんし、必要なサポートを提示してもらえるでしょう。
割り込みであれば、いつ着手でき、いつ納品でき、それで問題ないか確認します。
納期に問題ないなら、ある程度自分のペースで処理できるので順番に大きな変更を加えずに済みます。
急ぎのタスクなら別の人にとなるでしょうし、自分に依頼するしかない状況ならここで初めて大きな順番変更を行えば良いです。自分のタスクの一部を依頼者が引き受けてくれる場合もあります。
ただ、割り込みタスクが短時間で処理できるものなら完了させて納品した方が手間は少ないです。
重めのタスクもまずは返事と共に状況連絡です。
着手はいつ、納期はいつ、タスクが重すぎて手の付け方がイメージできない、といった今の状況を連絡します。
依頼者の意図として、Quick & Dirtyで十分かもしれませんし、想定よりも大規模なタスクと判明するかもしれません。確認によって手当たり次第処理するより無駄を省けます。
タスクが重すぎて着手できないのなら、依頼が適切なのか、適切なサイズにタスク分割、スキルアップの機会など、見直しが入るでしょう。
どんなタスクでも返事など発信をすることは大事ですが、こと自分の想定外のタスクでは現状連絡をパパッと行う方が何かと便利です。
わからないことがあれば進捗遅延は仕方ありません。けれども、遅れれば遅れるほど心理的負担は大きく、関係者含め対応が大掛かりになります。ホウレンソウは超大事。
関連記事:タスク管理が難しい理由は単に情報不足なだけかもしれないので早々に人に聞けば良いと思う
タスク負荷の調整はマネジメントの務めでもある
そもそも論として、人それぞれ得手不得手は違います。
マルチタスクが得意という人もいれば、苦手という人もいます。タスクの処理スピードも人それぞれです。
一般的に組織であればタスクはマネジメントがメンバーに振り分けますから、メンバーの特性と進捗に合わせたタスク調整はマネジメントの務めです。
確実に処理できるようタスクを振るだとか、着手しやすいよう重めのタスクを分解するだとか、マネジメントが負荷を軽減するやり方はあると思います。
どのタスクを振るにしてもスキル不足だとなれば別問題ですが、一つ一つのスキルには問題ないけれどマルチタスクになるとフリーズするという人には、マネジメントの介入によって一定の解決が見込めるケースあります。
もちろん程度問題ですし、多忙な中で管理工程を増やすのは厳しい時もあるでしょう。
とはいえ、マネジメントの務めである以上、まずはそこをしっかり意識してタスクをお願いするようにしたいなと思う次第です。
以上、最後までありがとうございます。