先日、言葉の選び方にやたらと感動した出来事がありました。
どの言葉を使うかで同じ内容でもガラリと印象って変わりますよね。
ざっくりまとめると、
- 先日、喫茶店で上司と思しき人の電話を偶然耳にした
- たぶん部下へのアドバイスで、締めが「それでダメなら出直すしかねーな」という言葉だった
- 最後の一言が妙に頭に残ったので、妄想を膨らませるだけ膨らませて理由を考えた
- 「出直すしかねーな」にはシンプルさと豪快さ以外にも、責任の所在、部下への配慮など沢山の意図が込められている気がした
- 言い方、言葉選び一つで相手への伝わり方は大きく変わる
- 刺さる言葉を沢山ストックしたいですね
とある言葉選びが妙に刺さったとある日の出来事
先日、喫茶店にいると隣の席で電話をしている方が。
電話の感じから、部下と思われる人に少々難儀している案件の相談を受けているようでした。
聞き耳を立てる気なんて全くないけれど、聞こえてくるもんは仕方ない。
おそらく内容は打ち合わせ通りで大丈夫か不安という相談で、お隣の方は打ち合わせ通りに進めれば大丈夫だと相手の落ち着きを取り戻そうとしている様子。
軽快なやり取りで互いに信頼している感じもしました。
そして、最後に「それでダメなら出直すしかねーな」と付け加えて電話を終えていました。
人様の会話ですから、なるべく聞こえないように努めました。電話ですから、話し相手の反応はわかりませんし、そもそも内容も勝手な想像です。
それらを踏まえた上でも、この「出直すしかねーな」という言葉選びが妙に私に刺さって、しばらく頭から離れませんでした。
この言葉選びが刺さった理由を考えた
あれこれ考えた結果、「『出直すしかねーな』はシンプルかつ豪快な響きでありながら、その一言に沢山の意図が込められていると感じたから」という結論に。
具体的には、
- ストレートに「ダメなら一旦持ち帰れ」が伝わる
- やるべきことをやって上手くいかないなら、それは部下の責任ではないことの暗示
- 現状では、上司も用意している策以外に持ち合わせがないことの暗示
- 想定外の対応を控えることの念押し
- あえて雑な言葉選びで、ダメだった時の深刻さを軽減
- 熱血漢タイプに響きそうな言葉選び
「出直すしかねーな」というたった一言に、こんなに意図盛り込んでんのかよと驚きです。
もちろん、お隣さんにこれらの意図があったかはわかりません。相手がどう受け取ったかはわかりません。何もかも勝手な想像です。
けれども、決してあり得ないかと言うとそうでもなくて、お隣さんがこれらの意図を込めていた可能性は否定できない。
もしかしたら、
部下と思しき話し相手は一生懸命な営業マンで、熱が入るとついつい勢いで進めてしまうタイプだったのかもしれません。ましてや順調に進んでいた案件のちゃぶ台がひっくり返ったのなら評価だって気になる。是が非でも決めたいはず。
だから、何か効果的な策はないかと上司を頼った。けれど、上司は魔法使いではありません。いつでも解決策を持ち合わせているとは限りません。ここは一旦持ち帰るしかない。
しかし、熱血漢な部下。事務的に「あなたの裁量を超えるので一旦持ち帰ってください」と伝えれば、「現場のことを一番知っているのは俺です!!」と反発したかもしれません。
きっと、この部下には、シンプルに豪快に少し雑なくらいに「ダメなら出直すしかねーな」の方がよほど響く。
よくもまあ妄想だけで、ここまで話を膨らませたなと我ながら呆れます。
でも、あの時お隣さんの言葉選びが妙に刺さったのは、そんな思慮をぼんやりと思い浮かべていたからだろうなぁと思います。
言い方一つ、言葉選び一つで結果は別物になる
言い方一つ、言葉選び一つで、同じ内容でも結果はガラリと変わります。
これは最善の一手があるという話ではなくて、相手や状況に合わせた一手があるという話です。
優しい言い方に落ち着く人がいる一方で、きつい言い方に奮起する人もいるでしょう。
説明するなら正確な言葉選びが必要だけど、感情に配慮するなら曖昧な言葉選びが適切な場合もあるでしょう。
表現方法や語彙力はあればあるほど、沢山の人や場面で刺さる伝え方ができるのは間違いないと思います。
私はできたらいいなと思いつつも全然できていませんが、、、
そんなわけで、他の人の言葉選びで「お、なんか刺さる気がする」という瞬間を探して、丸パクリするのが習慣です。狡いです。
そして、今回は「出直すしかねーな」が、勝手な妄想と相俟ってやたらと刺さったという次第でした。
多分、言われた当人より私の方が刺さってたまであります。
以上、最後までありがとうございます。