ざっくりまとめると、
- ただ決められたことだけをこなす仕事では主体性や多角的な判断、創造力などが不足しているという側面があるので、主体性などがある仕事を目指す姿勢は大事
- 一方で、決められたことをこなすだけの仕事にも価値がある
- 結果が安定する
- 想定外の結果の原因特定が行いやすい
- ルールや手順そのものの不備を発見しやすい
- ルールや手順を洗練していくことで仕事の属人化を防ぐことが可能
- 決められたルールや手順をこなすことが仕事に安定感を与えてくれ、その土台の上に主体性や創造力が積み上がっていく
- 「決められたことしかできない」と捉えるのではなく、土台を作っている真っ最中であると考える方が吉だと思います
主体性のある仕事が大事なのは間違いない
まず前提として、主体性のある仕事が大事なのは間違いありません。
決められたことだけをこなし続けるだけでは、
- 自分で考えて判断する力
- 多角的な分析や判断力
- アイデアを生み出す創造力
といった能力が不足しがちになる側面があります。
変化の早い現代では、特に上記のような能力が求められていて、決められたことをやるだけでは通用しなくなる場面も増えています。
主体性を持って仕事に向き合う姿勢はとても大切です。
決められたルールや手順に徹する価値
けれども、決められたルールや手順を愚直にこなすだけの仕事に価値がないわけではありません。
- 結果が安定する
- 想定外の結果の原因特定が行いやすい
- ルールや手順そのものの不備を発見しやすい
- ルールや手順を洗練していくことで仕事の属人化を防ぐことが可能
原則的に、決められたことを決められた通りに実行すれば決まった結果が得られます。
要は再現性があるから結果が安定するということ。
で、再現性が高まると、想定外の結果が起きても原因の特定が比較的容易になります。
ルールや手順通りにできていない箇所を探せば良いだけです。逆にルールや手順があやふやだと原因を特定するだけでもむちゃくちゃ苦労します。
ルールや手順を守った結果に不備があれば、ルールそのものに不備があると考えることができます。
しかも、OFAT検証のような手法が有効なので、不規則に仕事を進めている時よりも改善策を見つけやすいです。
そして、ルールや手順が洗練されていけば、下記のような仕事の属人化を防ぐ手段の一つになり得ます。
- 誰がやっても一定の成果が出る
- 引き継ぎが容易になる
- 特定の人に仕事が集中しない
というわけで、愚直にルールや手順をこなすだけの仕事は安定という価値をもたらしてくれるわけです。
個人的には、生産現場などチームで地道な成果を上げる場所で特に効果を発揮してくれると感じています。安定して想定通りの結果も重要任務の一つだからです。
安定した型があるから主体性や創造力が活きる
で、こうして考えると、ルールや手順は仕事の土台だとわかります。
安定した結果とは土台ともいえ、その土台があるから、もっと効率を上げるには?とか、他の視点で考えてみると?とか、主体的に変化や独創性といった思考に幅を持たせられます。
ごく稀に感覚だけで無から有を生む人はいます。でも、基本はゼロから突然アイデアが生まれることはありません。
誰かが愚直に決められたルールや手順に徹しているから新しい視点が生まれる余地があるとも考えられるわけです。
主体性や多角的視点を持つことは間違いなく仕事の武器になりますし、大舞台で活躍している人たちは当然のように備えている能力でしょう。
だからといって、決められたルールや手順をこなすだけの仕事に価値がないというわけではありません。
安定した結果があればこそ、仕事の幅は広がっていきます。
「決められたことしかできない」とネガティブに捉えるのではなく、今まさに土台を作っている最中であると前向きにルールと手順に徹してみるのもありじゃないかと思う次第です。
以上、最後までありがとうございます。
