今回はタスク管理が上手くいかない理由についてです。
途中、個人的趣味でバイオハザードというゲームの話出てきますが、ちゃんとタスク管理に関連した内容です。多分。
ざっくりまとめると、
- タスク管理、スケジュール管理は大事なスキル
- その為、タスク管理のツールやフレームワークや方法論など色々ある
- わかりやすいものが多く、ぱっと見だと運用が容易な気がするのに実際は難しいと感じることがあるかもしれない
- タスク管理の理解度が足りないという理由もありえるが、タスクの情報が足りないケースもある
- 目的や品質や納期などの情報が不足すればタスクの解像度がぼやけるし、タスク処理の理解度が低いと想定と現実にギャップが生じたり、タスクの想定自体が困難だったりする
- この場合、根本的には采配の問題だし、少なくとも本人だけの問題ではないケースがほとんど
- タスク管理が難しいと感じた時は、サクッと人にヘルプを求めたり、アラートを出したりした方が良い
- マネージメント側は「うまくいかない」がチームの助けとなる重要な行動であるとはっきり言語化しないといけない
- 私自身しっかりとタスクの情報整備を心掛け、みんなで快適なタスク管理ライフを送りたいです
タスク管理は言葉にすると単純そうだけどやってみると難しい
今更な話で恐縮ですが、タスク管理、スケジュール管理って大事なスキルです。
仕事におけるナビみたいなもので、タスクの全体図、ゴールまでの道程、現在地、到着予想時間を把握できる効果があり、品質や納期の安定化、業務効率化などの効果が期待できます。
ただ、ナビとは違って人が作成するので、得意だという人もいれば、苦手だなぁという人もいるでしょう。
ところで、我々は得手不得手に関わらず、実はタスク管理、スケジュール管理を日常的に行なっています。
- 今日の夕飯は親子丼が食べたいから、卵と鶏肉を買って帰ろう
- クリーニングの仕上がり日だから帰りに寄って行こう
- 好きなゲームのボス戦に備えてまずはレベル上げ
- 模試が芳しくなかったので、間違えた問題を重点的に勉強しよう
などなど、とある目的に向けて、やることを考えて、行動の順番を決めて、進捗を確認するという行為は皆さん覚えがあると思います。
もちろん仕事とは管理強度が全然違うので実感ないかもしれませんが、これらはタスク管理、スケジュール管理の一端だと考えられます。
まー日常的に行なっているといっても、目的達成に必要最低限の管理が求められているからというだけの話。
誰かの迷惑とか、社会的責任とか深刻な事柄でなければ、結果なんて自己責任で話は終わりです。予定変更は自由気まま、タスクの漏れや遅れがあってもまーいっかで済ませられます。私は。
したがって、意識的に目的を設定したり、タスクを洗い出したり、細かいスケジューリングをしたりなんてことは全くありません。私は。
クリーニング屋さんに寄ってくのを忘れるとか日常茶飯事です。苦手だから仕方ない。
しかし、仕事はそんなわけにはいきません。タスクの漏れや遅れをまーいっかで済ませられません。
というわけで、意識的にタスク管理を学び、管理強度を上げる必要性が出てきます。私のような苦手な人間ならば尚更です。
方法は色々ありますが、管理ツール、フレームワークなどの管理方法をネットや書籍で探してくるというのも一つではないかと思います。
で、これらのツールや管理方法って、ぱっと見運用が容易な気がします。
当たり前ですが、これらは多くの人が運用できるよう理路整然とわかりやすく提供してくれています。
タスク管理は端的に言えば、「目的の設定・確認」、「タスクの可視化、細分化」、「優先順位の設定」、「タスク実行」、「進捗確認」をぐるぐる回しているだけで、決して複雑怪奇な代物というわけではありません。
なんだ、そういうことかと、タスク管理の極意を得たかのような気になります。
ところが、いざ運用してみると全然タスクを管理できない。
全部最優先に見えてくるし、タスクの細分化はできないし、気付けばタスクは渋滞するし、結局何やらないといけないんだと途方に暮れてしまう。
上記のような状態になった方いませんか?ここまでひどくはないけれど、似たり寄ったりな経験をお持ちの方いないですかね?
これって、もちろんタスク管理方法の理解度が足りないからという原因もあり得るのですが、タスクの情報が足りないからという原因も全然あり得る、むしろそっちのケースの方が多いんじゃないかと思います。
タスク管理には情報がすごく大事
人それぞれかとは思いますが、私の場合は以下のようなタスク関連の情報、そして情報共有を超大事にしています。
- 目的や品質や納期といったタスク自体の情報
- タスク情報の共有
- タスク処理の経験、あるいは見本
まず、目的、品質、納期といったタスク自体の情報が足りないなぁと感じるのなら、タスクをぼんやりとしか理解できていないわけです。
よくわかんないタスクを管理ってどうすんの?という話で、管理ツールとかフレームワーク以前の問題ですね。
したがって、タスク管理の前に情報を集めてタスクの輪郭をはっきりさせる作業を行うようにしています。
そして、その情報がしっかりと共有されているかも重要です。特にぼんやりしたタスクの時は。
時にはどうしても輪郭がぼんやりした情報量の少ないタスクというのは存在します。
新規開発やプロセスフローの抜本的変更など、何をするかをこれから決める、可能性や視野を広げる、そういう段階で細かい定義が足枷になる場面などですね。
情報不足でタスク管理は難しいと言うものの、そもそも手探りが前提のタスクになるので仕方ありません。
なので、条件や仮説を設定したり、ぼんやりしたタスクを細かく切り分けたりして、仮の輪郭を持たせます。正解のないタスクでもあるので、まずはたたき台という感覚です。
そこから検討を重ねて明確な情報を持ったタスクに仕上げていくわけですが、この時に「これはぼんやりしたタスク」という情報をしっかりと共有してもらわなければなりません。共有が不十分なままで検討するとタスク管理全然できなくなります。
検討の場って全員何かしらの発言を求められます。そして、ぼんやりしたタスクは往々にして「正解がわからないタスク」です。
なので、本来は不確かな発言もなんら問題ありません。アイディアをどしどし出す方が先決です。
しかし、情報共有が不十分だと間違いない発言をしようと、大雑把になっている細部に対するツッコミが集中しがちです。
例えば、試作品の粗探しをするとか、本格的な調査前にサンプルサイズが不十分とか、こちらからするとマジで意味がわからない指摘を受けることあります。例えっていうか実体験。
こういう環境下では処理する側はできるだけ隙のない仕事にしたい気持ちが強くなります。
が、たたき台の細部までこだわるなんて無茶です。無茶な仕事のタスク管理とは?って話になっちゃいますよね。
ちなみにツッコミが間違っているわけではないんです。指摘そのものは正しい。
ただ、今の段階でする指摘ではないという話でして、その原因はタスクの性質、全員どんどんアイディアを出していく段階といった情報が十分に共有されていないことにあるのだと思います。情報共有、大切です。
そして、タスク処理の経験、あるいは見本も凄く大事です。
突然ですが、バイオハザードってゲームご存知ですか?カプコンの大人気サバイバルホラーゲームシリーズです。
大筋は、生物をゾンビ化させてしまうウィルスを巡って悪の組織と戦いを繰り広げるという内容なのですが、練りに練られたストーリーになので人のプレーを見るだけでも面白いです。
もちろんプレーしても超面白い。
私は最初期の数作を遊んだ口ですが、サバイバルホラーらしくゾンビがすげー怖いとか、手に汗握る戦闘シーン、強力な武器にテンションが上がるといった王道的な面白さが良かったのもありますし、以下のシステムが新鮮に感じていました。
- 武器やアイテムは落ちているものだけで、一度拾えば復活しない
- しかも、持てる数に制限があるので取捨選択を迫られるし、銃弾や回復アイテムの在庫管理をしていないと割とボス戦で詰む
- なんならセーブするのにもインクリボンというアイテムがいる
- ギミックや謎解きも豊富で、道中で鍵となるアイテムやヒントをゾンビの恐怖と戦いながら探索が必要だし、そもそも謎が割と難しい
同様のシステムは他にもあったかもしれませんが、当時は力技でどうにかなるゲームしか知らなかったので、計画的にプレーするという感覚に驚きと苦労をした思い出があります。
初プレー時は、手当たり次第に雑魚ゾンビを倒していたら弾数や回復アイテムの手持ちが貧弱になる、入手可能数が気になってインクリボンを節約してたらゲームオーバーで振り出しに戻る、パズルのギミックはあるけどヒント見落として戻っている最中にゲームオーバー、みたいな失敗たくさんありました。
実際は、雑魚ゾンビは放っておいて問題ない場所はわんさかあるし、インクリボンも普通にセーブする分には十分な量拾えますし、冷静にプレーしていたらヒントは割と見つけられます。
ゲームの目的やシステム、ギミックの中身はなんとなくわかるけれど、攻略の勘所がわからなくてズレた攻略になっていたというオチです。
クリアを重ねるごとに攻略は最適化されていきますし、初見でも攻略本があれば失敗はもっと少なかったでしょう。まーゲーム本来の目的からいけば、当時の遊び方は満点なんですが。
ちなみに、複数のエンディングがあったり、難易度設定があったり、クリアタイムに秘密があったり、隠し武器があったりとやり込み要素も満載なので、何度でも楽しめます。
長々とバイオハザード話を書いてしまいましたが、これってタスク管理でも同じだと思うんですよ。
ゴールはわかる。多分こういう進め方をすれば良さそうと当たりを付けた。でも、タスク処理の経験や見本の有無によっては、現実は思った通りにはならなかったってことあります。
- 細かく切り分けたタスクを全て実行しても目的に到達しない
- 優先順位が非効率的だった
- 計画通りの進捗にならない
- ゴールはわかっているのに辿り着けるイメージがわかない
経験済みのタスクなら経験を基にタスク管理可能ですし最適化も捗ります。似たような経験があるだけでも応用が効く場合は多いでしょう。
一方、未経験だとどうしてもタスクの細部まではイメージがつきにくい。これは仕方のないことだと思います。
ただ、タスク処理の見本が得られれば全く景色は変わります。
少なくとも見本通りに可視化、細分化、優先順位を設定し、あとは進捗確認していくだけでもゴールに到達できる可能性大です。
一つ解法を知っているだけでも心理的負担は減りますし、タスク管理の足掛かりになります。
タスクを実行した経験や事例の有無でタスク管理の難易度は相当変わると思います。
そんなわけで、タスク管理が上手くいかない理由はタスクの情報不足だからと考えているのですが、これって本人だけで解消できる問題ではないはずです。
情報不足でタスク管理が機能しない時は早々に人を頼った方が良い
まず、タスクの情報不足は根本的にマネージメントの問題です。
明確なタスクを曖昧に伝えるのは論外ですし、受け手次第で解釈が変わるような伝え方では正確な情報とは言えません。
受け手のレベルや経験に応じて情報の噛み砕き方は変わります。場合によっては、先に細分化してタスクの一部だけを渡すようなやり方も必要です。
メンバーに共通認識を持たせるのも采配側の仕事ですし、徐々にズレていくようなら軌道修正しなければいけません。
とはいえ、マネージメントも人間です。上手く伝えきれない、伝え忘れがある時だってあるでしょう。指示を受けた自分や周囲が見落としていたって場合もあるでしょう。
なんにせよタスクの情報不足自体は発生する可能性は常にあります。でも、タスクの情報整備は基本的にはマネージメントからの発信がスタートですから、整備不良があっても自分一人で解消できる問題ではありません。
つまり、タスク管理が上手くいかない時は、早々に「うまくいかない」と表明して周囲を頼る方が解決の近道になる場合があるということです。
「うまくいかない」の表明が心理的負担に感じる人はいるでしょう。多分、ほとんどの人は多少なりとも感じると思います。
できないヤツって印象や評価になるかもと不安になったり、うまくいっていない状況を理路整然と説明しなければならないと考えたり、単に「うまくいかない」と言うだけで済む気がしないからだと思います。
でも、実際はそんなことなくて、「うまくいかない」「わからない」という表明はマネージメントからすれば大変にありがたいものです。
タスクの情報不足のように一人に原因が集約しない場合はあるし、その時々でうまくいかない状況は誰にでもあります。
目的や試したことを添えた説明は確かに楽ですが、「うまくいかない」とアラートを出してもらえるだけでも、状況察知や改善行動を早く取れます。
「うまくいかない」という表明はかなり重要な役割を持っているので、はっきりと表明できる練習はしておいて損はありません。
言うまでもなく、「うまくいかない」と言える環境を整えるのはマネージメントの仕事です。
「うまくいかない」という表明はチーム全体を助けてくれる重要な仕事であると、はっきり言語化しなければいけませんし、チーム全体で共有できるよう繰り返し伝えなければいけません。
ついつい忙しさにかまけて都度対応していまいそうになりますが、結果的に全体のシステムや環境整備をした方が長期的には楽になります。
マネージメント自身、仕事の漏れや指示忘れは起きるものと認識して、チームからアラートを出してもらいやすい環境を整えてみては如何でしょうか。
偉そうなこと書いていますが、大部分が自分自身に向けて書いたようなものです。
自分がタスク実行する時、誰かにお願いする時、どんな場面でもタスク情報をしっかりと収集、可視化して、快適なタスク管理ライフを送りたいです。
以上、最後までありがとうございます。