ネガティブ思考も成功する鍵の一つだと思う。
ざっくりまとめると、
- 一般的に「ネガティブ=悪」のイメージが付き纏うが、仕事では突然のトラブルは日常茶飯事。ネガティブ思考は、そういった現実を直視する健全な行為であり、危機回避能力の賜物
- トラブルへの対処には経験が重要だが、簡単に手に入るものではない。この点を補完してくれるのがネガティブ思考。事前にトラブルを想定し、対処法を考えておくことで対応能力が大きく変わってくる
- 対処法を準備しておく際は、「状況」と「時間、人、金の3つのリソース」に応じて、リソース損耗を如何に抑えるかを念頭に、ネガティブ思考を常時回転させておくと上手くいきやすい
- 仕事は、ネガティブ思考が土台となりポジティブ思考が前進させていくものとも考えられ、ポジティブとネガティブは必ずしも相反するものではないように感じる
- 少なくとも仕事においてはネガティブ思考は、なんぼでもやって構わないと思います
ネガティブ思考は悪いのか?
「もっとポジティブに」とか、「悲観的に思われたくない」とかって気持ちになることないですか?
一般的にはポジティブ=良い、ネガティブ=悪いというイメージが強いような気がします。
けれども、仕事、とりわけマネジメントにおいては、ネガティブ思考が縁の下の力持ちの役割を担ってくれる場面多いと感じています。
もちろん仕事するにあたって成功を目指してやるわけですし、誰が言ったか「やる前から負けること考える奴がいるかよ」なんて名言があります。
そりゃそうなんだけど、それは気構えの話であって、現実は予定通りに仕事が進むことの方が珍しい。想定外のミス、仕様変更、メンバーの体調不良、その他諸々、突然のトラブルなんて日常茶飯事です。
つまり、失敗やトラブルを想像することは只のネガティブではなく、現実を直視する為の健全な行為であり、危機回避能力の賜物ではないかと考えられます。
ネガティブ思考が「引き出し」を増やす
仕事にトラブルはつきものだとなれば、対処法を考えなければいけません。
そして、トラブルに対処するにあたってものをいうのが引き出しの多さです。
一般的には引き出しは経験と共に蓄積されていきます。
経験済みのトラブルなら対策は打てますし、過去の経験をもとに対策も洗練させられます。経験って貴重な財産だなと思う瞬間の一つです。
しかし、いきなり手に入るもんでもないですし、経験に頼るだけでは知らないトラブルには手を打ちようがないという問題があります。
この点を補完してくれるのがネガティブ思考じゃないかと思います。
自分なりにトラブルを想定したり、過去の事例を調べて自分の仕事に落とし込んでみたり、言うなればトラブルのイメトレをすれば対策も一緒にイメトレが可能です。
確かに所詮イメトレなので完璧ではありません。しかし、無策より遥かにマシです。「考えたことがある」というだけで対応力はまるで違います。
仕事の良いところの一つは、致命傷を避けさえすれば立て直せることです。途中で多少のミスがあっても適切にリカバリーすればプロジェクトは大局的には成功に辿り着きます。
逆に致命傷を負えば、回復に膨大なコストを要し、場合によっては組織全体にもダメージが残ります。
ネガティブ思考は、致命傷を避ける為の引き出し作りに一役買ってくれているのかなぁと思う今日この頃です。
もちろん注意点はあって、対策もセットで考えなければいけません。
単に失敗やトラブルをイメージするだけなら、それは只のネガティブ思考です。
この注意点を押さえれば、ネガティブ思考は合理的な準備となり、攻めの姿勢を維持してくれます。
具体的にネガティブ思考で引き出しを増やす方法
まず、仕事はリソースを消費して進行させていくものです。
代表的なリソースは3つで、時間、人、金です。これらのリソースが不足すると仕事は一気に破綻します。
リソース管理が重要視される所以で、特にマネジメントはチーム全体のリソース管理を任されるので殊更重要な業務であると言えます。
で、失敗やトラブルが何故ややこしいかと言えば、手持ちのリソースを計画外のところでガリガリ食い潰していくからです。
ですから、リソースの損傷をどう抑えるかを念頭に対策を考えます。
そして、トラブル対処には引き出しと言いましたが、手持ちのリソースは常に一定ではありません。仕事の内容や環境に左右されます。万能な引き出しは存在しません。
もちろん似通ったトラブルはあって引き出しの応用は可能です。しかし、長らく開けていない引き出しは固くなっていることがしばしば。
したがって、案件ごとに常にネガティブ思考を働かせて引き出しを増やしたり、滑らかにしたりしておくというのもポイントの一つです。
そんでもって、ネガティブ思考を常に働かせておけば、余裕のあるリソースで補助する、リソース節約の条件や環境変更の可能性、リソースの効率化といった準備が捗ります。
例えば、
- 外注先を確保しておく(金銭で人、時間的リソースの補助)
- ダウングレードで一時的な代替が聞くかの探り(一時的なリソース節約)
- 作業手順の見直し(リソース節約)
などは一般的な対策かと思います。
当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、これらは計画通りに進むという前提であれば不要っちゃ不要です。
計画通りにいくわけがないというネガティブ思考が働いてこそ準備できるものだと思います。
ポジティブとネガティブは対立しない
で、こうやって考えるとポジティブとネガティブって必ずしも対立するもんでもないと思います。
ポジティブ思考は間違いなく前進する助けに。そして、ネガティブ思考は道中の困難を察知し払いのけてくれる、成功の土台となるような存在じゃないかと思うのです。
案外、この二つが連続して一つの流れを作ってくれているんじゃないでしょうか。
少なくとも仕事においては、なんぼでもネガティブ思考をやっても良いと思います。
以上、最後までありがとうございます。
